下北沢の再開発計画は、東京都の都市計画事業である「連続立体交差事業」と重要な関係があります。ここでは、「連続立体交差事業」(以下:連立事業)について説明します。
連立事業とは、鉄道を高架あるいは地下化して、幹線道路を立体交差させることで、踏切をなくし、渋滞の緩和をめざす事業のことです。この事業は1969年に旧建設省と旧運輸省との間で結ばれた「建運協定」に基づいて採択されています(注1)。下北沢を通る小田急線の地下化は、この連続事業として行われています。この事業は一見、鉄道事業のように見えますが、実際は都市側(東京都)の街路事業として行う公共事業です。小田急電鉄は事業費の14%を負担しますが、残りは国の補助金と、区の負担金によってまかなわれます。
従来、国の基準では、2本以上の幹線道路が鉄道に交差していることが連続事業の採択基準となっていました。そのため下北沢の場合、小田急線の連続事業(地下化)の採択基準を満たすために、補助54号線が必要条件とされていたのです。しかし、2000年度に連立事業の採択基準が変更され、朝夕のピーク時に40分以上遮断されている踏切が含まれる場合などは、必要とされる幹線道路数が2本から1本に緩和されました。それにより2001年以降は、小田急線の連立事業を行うための条件から補助54号線は外れました。しかし世田谷区は、2003年に補助54号線の都市計画変更決定を行った際、その必要性について再検討をしないばかりか、むしろ事業化に向かって動き出したのです。